2011/12/15

【入門編8】境界面のレンダリング

引き続き、オークのV-Rayユーザーサイトのチュートリアルにトライしてます。
今回はVRayと屈折境界面の正確なレンダリングについて、です。

要は、異なる屈折率を持つ物体同士が接しているようなシーンをいかに表現するかということ。


たとえば、ガラス製のコップの中に液体が入っているシーンなどです。
このようなシーンの場合、まったく同じ位置にコップの内側と液体の面があると、レンダリングエラーの元となってしまいます。


なので、【1】少しだけ隙間を作るか、あるいは【2】少し交差させることになります。


●ガラス製コップをライン+レイズで作成します。


●レンダラーにV-Rayをセットし、プレビュー用の設定にしていきます。


アンチエイリアスを低く設定します。Image samplerロールアウトを開き、Image samplerを Fxed rate にセットします。


Indirect illuminationロールアウトを開き、GIを有効にします。Primary および Secondary bounces の両方に Light cache をセット。Refractive(屈折) の GI caustics を一旦無効にしておきます。


ライトキャッシュのロールアウトを開き、ノイズを抑える為にライトキャッシュの Sample size を 0.04 にセット。
Filter(フィルター)を Fixed にセットし Filter size を 0,08 にセットし、ライトキャッシュを少しぼかします。
影をハッキリさせたいので、ライトキャッシュロールアウトにある Store direct lightのオプションを無効にします。
ライトキャッシュの Subdivs を 500 にセット。


マテリアルをこんな感じにしてレンダリング。


コップができたので、液体を準備します。


●まずは【1】少しだけ隙間を作る方法を試してみます。
少しだけ隙間を作ったラインをレイズさせます。


マテリアルをこんな感じに設定してレンダリングしてみます。


車の中で乾燥して縮んだ芳香剤のようで、リアルな液体ではありません。


●次に、【2】コップと液体を少し交差させる方法を試してみます。
液体オブジェクトを少しだけコップの内側にオーバーラップさせます。これでレンダリングを試してます。
先ほどに比べ、液体の表現がリアルになりました。


最終レンダリングのセットアップを行ないます。アンチエイリアスを改善しコースティックを加えます。


Caustics ロールアウトで On にチェックマークを付けてフォトンマップによるコースティクスを有効にします。
Max. density を 0,2 にセットし、コースティクスフォトンの密度を制限する事によって、より多くのコースティクスフォトンを放つようにします。
Search distance は通常、Max. densityパラメーターの 5から10倍の値をセットするとよいので 2.0 にセットします。
Max. photons パラメーターを 0.0 にセットし、シェーディングポイントからSearch distance 内にある全てのフォトンを考慮させるようにします。
これでレンダリングしてみます。
コースティクスが表示されましたが、少しノイジーに見えます。ライトのコースティクス解像度(Caustics subdivs)を増加させる事により、よりノイズを無くす事ができます。


VRayLight オブジェクトを選択し右クリックメニューから "VRay properties..."を選択.。
コースティクス解像度(Caustics subdivs)を 4000 にセットします。
これで再びレンダリングしてみます。
今回はこのくらいのコースティクス設定としますが、さらに滑らかなコースティクスを望む場合、ライトのCaustics subdivsをさらに増加させるか、Search distanceパラメーターを増加させます。


次のレンダリングでコースティクスの再計算を行なわないようにする為に、コースティクスのモードを From file にセットします。


●最後にアンチエイリアスを無くし、エリアライトのノイズを少なくします。


Image samplerロールアウトを開き、Adaptive DMC を選択します。 


エリアライトからのノイズを軽減させるために Global subdivs multiplierの値を 4.0 にセットします。
これで最終レンダリングします。
いい感じでコップの液体が表現できました!

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